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2006年01月07日

悪魔の悪戯

宇宙の終わりは記述できるのか。宇宙全体を一つの孤立系と考えたときに、そのエントロピーは増大を続ける。エントロピーが無限に大きくなり、熱の移動が完全に無くなった時、この宇宙は滅びることになるのだろうか。少なくとも僕たちが観測できうる範囲内での宇宙は活動を停止してしまうということになるのだろうか。たとえ僕たちが住む宇宙のほかに別の宇宙があったとしても、それら宇宙全体を一つの孤立系とみなせば、結局すべての宇宙は熱死してしまうことになる。自分としてはあまり納得の行かない結論でむずがゆい。何かのきっかけで再び別の宇宙が誕生してもいいのではないかと思えてしまうのだ。

こう考えると、マクスウェルの悪魔は僕にとっては悪魔ではなく、天使のような存在に思える。この悪魔がいれば、局所的にエントロピーが下がり、宇宙を生み出すことができるように感じるからだ。悪魔が持ち続けることができる記憶がたとえ有限であったとしても、その記憶力が有効な範囲ではエントロピーが下がってもいい。その有限性がどれほど自然界に影響を与えるのかは分からないけれども、その局所性が僕らの生命活動を支えているのは確かな事実だ。この小悪魔がとてつもなく低い可能性で、エントロピーを一時的に押し下げることが、宇宙の始まりにつながってるんじゃないかと想いを馳せてしまうのである。生命の誕生もこの悪魔のいたずらの成し得た結果だとすると、宇宙の創造主は神ではなく悪魔ということになる。これはこれでかなり面白い。

投稿者 はるお : 2006年01月07日 01:45

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コメント

What a lovely day for a 4324097! SCK was here

投稿者 4324097 : 2011年04月01日 00:03

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投稿者 iwc ポルトギーゼ : 2013年09月21日 03:20

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