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生命体の合成: 合成生物学は、新しい生命要素や組織を設計したり、既存の生命を再図案化したりする学問だが、安全な繁栄を願うなら、社会的な規律や公開制度が必要だ。
(Nature Vol 438 Commentary pp423)
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ハプロタイプ地図の完成: ヒトの遺伝的多様性を記載した大規模なカタログの第1版がこのたび完成した。この多様性がヒトの健康にどのくらい影響を及ぼすかはこのデータを解釈していくことで長い時間をかけて理解されることだろう。
(Nature Vol 437 News & Views pp1241)
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癌の自己抑制: 細胞は癌誘発刺激によって引き起こされる制御不能の分裂を感知して、それを停止させているのか? 多分それは本当である。ヒトの早期癌では、異常な細胞分裂がDNA損傷に対して分子応答を誘発することができる証拠が挙がったからだ。
(Nature Vol 434 News & Views pp829)
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視覚野のカラム: 自分の飼っているネコが何を考えているのか、知りたいと思ったことはないだろうか。ハーバード大学医学部で開発された顕微鏡技術が、そんな人間の好奇心に答えてくれるかもしれない。
(News.com)
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羽の黒い模様: 同じ分子器材を使っているのに、異なる品種が様々な身体的特徴をどうやって進化させるているのだろうか?ショウジョウバエの羽色の発達を研究することで、ある遺伝子の調節領域に特別な変化が必要なことがわかった。
(Nature Vol 433 News & Views pp466)
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ネットワークもフラクタル: 多くの現世界に存在するネットワークシステムは、あたかもフラクタル構造の様にべき乗法則に従っているという新しい証拠をつかんだ。この発見は複雑系の新しい構築則の先駆けとなり得るだろうか。
(Nature Vol 433 News & Views pp365)
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抗生物質が神経に効く: ペニシリンを代表としたベータラクタム抗生物質は、これまでの発見の中で最も広く普及して、成功をおさめている医薬品である。前世紀の立役者だったペータラクタム抗生剤は、神経病治療薬として新たな道が開けようとしている。
(Science Vol 307 perspective pp361)
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マラリアワクチン: マラリアに対する効果的なワクチンはまだ得られていない。だが、遺伝子操作したマラリア原虫がその宿主をマラリアから守れることが分かったため、減弱化した生きた寄生虫を基にしたワクチンという発想に高い関心が集まっている。
(Nature Vol 433 News & Views pp113)
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ネズミも言葉が分かる: 異なる言語を聞き分ける能力は人間に特有のものではない。今回の研究によると、ラットも同様に音を識別することができるという。これは、哺乳類で3番目の記録となる。
(Scientific American Jan.10th, 2005)
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恐怖の表情: SMという患者は、他人の顔に表れる恐怖の表情を認識する能力にきわめて特殊な障害を持つ。この希少な症例により、我々が感情を受け取る仕組みについて興味深い洞察がなされた。
(Nature Vol 433 News & Views pp22)
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糖尿病治療への道: インスリンに抵抗性を持つと、糖尿病にかかりやすくなる。それは、脂肪蓄積の増加とブドウ糖合成に歯止めがかからないことを特徴とする。(今回、)このような効果の分子基盤が明らかになった。
(Nature Vol 432 News & Views pp958)
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分子軌道の画像化: 窒素分子の単一電子雲の撮影に成功した。そのスナップ写真は極めて速く撮影されたために、基礎的な分子過程で変化する電子雲を捕らえる事ができるかもしれない。
(Nature Vol 432 News & Views pp809)
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顔の認識: 人の脳は3つの段階を踏んで顔を見分けている。研究者達は、マーガレットサッチャーの顔をマリリンモンローに変化させることで、脳がどうやって顔と名前を一致させるのか、その手がかりを明らかにした。
(news@nature 13th Dec, 2004)
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新結核薬: ある研究チームが既存の薬より効き目があり、体内に長く留まり、広く効果的な新奇な機構ではたらく新しい抗結核薬を発表した。
(Science Vol 306 News pp1872)
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ニワトリのゲノム: ニワトリは数十年間にわたってきわめて貴重なモデル生物である。ニワトリ一品種のゲノム配列が解読されたことで、ゲノミクス〜育種に関わる研究において、その有用性がさらに増すだろう。
(Nature Vol 432 News & Views pp679)
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ヨーロッパの熱波: 2003年の欧州熱波はただの稀な気象現象だったのか、それとも来たる気候変動の初兆候だったのか?おそらく両方が正解となるようだ。(今回、)その人為的影響が定量化されたのである。
(Nature Vol 432 News & Views pp559)
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胃癌の源: ヘリコバクター・ピロリ関連菌が胃壁の上皮細胞にもたらす損傷は、胃壁を修復しようとする骨髄幹細胞の流入を引き起こし、それらの流入細胞が最終的に胃癌を発生させるという。
(Science Vol 306 p1455-1457)
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細胞の老化: ストレスは染色体の端にあるDNA鎖に影響を及ぼすことによって健康を脅かすかもしれない。報告によると、より強い精神的ストレスを受けた女性はテロメア(これは、細胞の老化に重要な役割を果たす)が短くなっている。
(Scientific American)
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集団行動の進化: 遺伝的に無関係なメンバーで構成される大規模なグループの集団行動には、人類の持つ独特な特徴が存在する。個人の評判というものは、納得のいく人類進化を説明する上で、一つの手掛かりとなるかもしれない。
(Nature Vol 432 News & Views pp449)
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RNA干渉: RNA干渉によって、病気関連遺伝子を沈静化させる道が開けたが、これまで、薬物送達の問題が進展を妨げていた。今回少なくとも動物実験でその問題が解決されそうである。
(Nature Vol 432 News & Views pp155)
多くの方々からのご意見をお待ちしております。一般の方から専門家の方まで、皆さんからの叱咤・激励が僕の原動力となります。多くの人の結びつきによって、自然科学が市民にとってより身近になる文化が育めると思っています。科学の持つ無限の可能性を僕達が有効に活用できるような素地作りに励んでいきたいです。